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馬場幼稚園 近藤園長先生

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編集部 PICKUP
ついに見つけた!プロが選ぶ幼稚園
3_2015_03_03今まで取材してきた幼稚園の中でも、見た目にこじんまり?しているこの幼稚園(園長先生もこじんまり)。が、驚くなかれ。この小っさい園舎と園長先生に詰まった愛情と保育観は超ラージサイズ!何事も見た目で選んじゃダメなのね。ここもまた、研修に行ったくらいじゃ盗めないノウハウがてんこ盛りの幼稚園。取材中、私が一番注目したのが3歳児の子ども達の「きらきらした目」。「なんと自然な目をして遊んでいることだろう」子どもたちそれぞれが、自由保育の時間を、一人一人が自分で考え、遊ぶその姿は圧巻。この集団生活の空間に「自然体の子どもの姿」を見ることができ、しばし一緒にいる時間を楽しんでしまいました。(これ。3歳児を見ればわかるのね。成長した年中長じゃだめなのさ)。
馬場幼稚園に流れるポヨヨ~ンとした時間の流れ。お母さん保育士・幼稚園教諭が、自分のお子さんをこの「馬場幼稚園」に通わせる理由がわかります。その保育を実践されている園長先生が近藤先生なのです。

教育目線
歴代脈々とつむぎあげて来た「幼児教育」の姿勢は、ズバリ!「涵養」※1なのだ
金沢の幼児教育は歴史があり、最も古い歴史を持つのは現:金沢大学附属幼稚園。キリスト教保育では、北陸学院短期大学附属第一幼稚園。次いで古い歴史を持つのが、現存する幼稚園では川上幼稚園、木の花幼稚園と並び、この馬場幼稚園があるのです。明治30年代終わりに、カナダ婦人ミッションが建てた大衆免(旧町名)の授産館(失業者・貧困者などに裁縫や刺繍などを教え、生活をたすけた)がほどなく、利用者向けに幼稚園事業を始め、これが100周年を迎えたのだ。金沢市って保育園も幼稚園もすっごく歴史があって、地域で助け合う風土が脈々と受け継がれているって、すごいね~。誇っていいです。

この幼稚園の面白さは、言葉で表現しきれない。なんといっても近藤園長先生のキャラクターがそれを物語っています。もとは北陸学院第一幼稚園にて、3歳児を徹底して学んできたという園長「私の基礎は、北陸学院でのナースリースクールに原点があるのよ。あの当時は本当にユニークな保育スタイルに取り組むことができたの。今考えると、よくぞここまで自由にやらせてもらったってね(笑)。とってもいい勉強の場になっていたわ」と、当時を振り返る。 この馬場幼稚園の重要なポイントは、親に寄り添う園全体の気風に由来する。歴史からいっても、庶民の子ども達の教育に重点が置かれていたことも、キリスト教の愛の精神が脈々と受け継がれている。それが日々の子ども達をはぐくむ教育の場にも表れているようだ。一般的に幼児教育は幼稚園で行うものであり文科省の所管。養護は児童福祉(保育園)であり厚労省の所管、制度上はこのように分かれている。しかし実際に現場で乳幼児・児童の教育・養護にあたるとき、ここにはっきりと境界線をひくことは難しい。養護って聞けば保育園をイメージしますが、幼児教育者であっても、保育士と変わらず、子どもたちの置かれた家庭・家族の問題、心身の成長・発達の問題などについて熟知する必要がある。

「幼稚園は、幼児教育の場だから、子どもだけを知っていればいい。ってもんじゃないのよね。私は真っ向勝負!親御さんたちとしっかり話し合うのよ。なにより子どもにとって良いことをするのに親が知らないっていうのは、やっぱり本当の教育じゃないのよ」
その言葉のとおり、この幼稚園は形にとらわれない自由な保育スタイルが取られている。一般的な保護者対策を重視した過保護な保育ではなく、子どもと先生との緩やかなかかわりが、子ども達一人一人の自由でのびやかな遊びの行動に見ることができる。また、試行錯誤の統合保育も、馬場幼稚園らしさ。しょうがいを持つ子どもたちを多く受け入れてきたこの幼稚園。当然、個々それぞれのしょうがいの度合いも、千差万別。「みんな個性のかたまりなのよ。あの子ができてこの子ができない。あの子がやってよくって、この子はやっちゃダメ。なんてね。大人の勝手な言い分なんて子ども達には関係ないもの。難しい判断だけど。やっぱりそこが大事よね」今も第一線で現場主義の園長先生は、一人一人の子どもたちのそんな様子を、ふんわりと包み込むように対応されている姿が印象的。

保護者目線
「子育て」が大好き!「積極的に子育てしたい」って人はこの幼稚園
3_2015_03_02この幼稚園。ある意味保護者に迎合していないの。なのでここ最近、子育てママで言われる「幼稚園の三種の神器(長時間延長保育、完全給食、自宅前バス送迎)」は気にしない。実際この幼稚園は、延長保育は17時。給食は週2回(週3回はママの手作り弁当)。送迎バスは停留所方式。子育てママからは「えぇ~、面倒くっさぁ~」って聞こえてきそうね。でも実は、そこが違うのね。本来の幼児期の教育って「生活の中にこそある」って。だから「家庭と幼稚園が一体となって初めて良い教育ができる」ってことなのね。
深いでしょ。わかる人はめっちゃ頷きポイントよココ。逆を返すと、そういった保育を求め、それを支える生活ができる保護者が集まってくるから、この幼稚園の素養が高まるのね。すると、幼稚園の三種の神器を求める保護者が減るので、更に高品質な保育を、園側と保護者側が相互協力しながら作り上げていける、ってことなんだね。いやいやこれはあくまで取材した僕の主観です。
園長先生いわく「この幼稚園の3年間。ママが一生懸命作ってくれたお弁当の思い出が、子どもの味覚と情緒を作り、暑かったり寒かったりしながら、一緒にバスが来るところまで、毎日手をつないで歩いた思い出が、きっときっと子どもの成長に役立つはず」と。また「こんなに可愛い幼児期の思い出だもの。少し大変かもしれないけど。ソコをがんばるお母さんお父さんの姿が、お子さんの教育、発達にはとっても大切なのよ」この先生の言葉には保育に懸ける意気込みと、愛情があふれています。
流行りの育脳や早期教育もいいですが、こういう人が環境を整えて、手間暇をかけて人を育てる幼稚園って。やっぱいいですね。ちなみに体操教室や英語遊び、プール学習といった一般的なお教室もちゃんとやっているので、「ブランド志向」じゃなく「クオリティー志向」な家族に絶対おすすめ。

園長先生からの子育てアドバイス


▲なんと!本物を使ったおままごと
「私はね、やっぱり保育の現場が好きなのね。だから日々の生活から、行事なんかでも若い先生たちと一緒になって走り回るのよ」と屈託のない笑顔で話す園長先生。「うちはいろんな行事をお父さんお母さんにも参加してもらうのね。参観じゃないの!参加なのね(笑)」という園長先生。
「子どもはね、遊ぶことが一番。私なんかもう一緒になって真っ黒になって、クッタくた~になっても遊ぶのね。そうした時に子どもたちの本当の姿が見えるのね。本当の言葉を交わすことができるの。もうね、お母さんたちもカッコつけないで、一緒になって遊んでほしいのね。たのしいよぉ~。ほんとに楽しんだってば。心が通うのよ。一緒に遊ぶと一緒の方向が見えるから」と、まぁ~感性豊かな、というか、感性そのもので会話する園長先生の「脱線しまくりマシンガントーク」の中から拾い上げた「子どもとの向き合い方」でした。

※1涵養(かんよう) 水が自然に染み込むように、無理をしないでゆっくりと養い育てること。