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自由保育と設定保育(一斉保育)って何?どっちがいいの?(上)

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幼稚園&保育園選び
Vol.2 自由保育と設定保育(一斉保育)って何?どっちがいいの?

子育てナビゲーター茂呂平哉:文

幼稚園・保育園などで「設定保育・自由保育」という言葉を使う場合があるんですけど、聞いたことあります?
この「設定保育」「自由保育」という言葉。本当は「保育形態」ではなく、本当は「保育理念」の呼び名なのね。そんでもってもう一つ、よく勘違いされる言葉に「一斉保育」っていうのがあるんですけど、これは保育形態・手法を指しているんだね。チョイややこやしいんだけど。
よくお母さんたちから「一斉保育の園と、自由保育の園でどっちがいいの?」みたいな質問があるんですけど、厳密にいうと一斉保育と自由保育を相対して、概念としては比べられないっちゅ~ことやね。実際に幼稚園・保育園の先生たちでも「一斉保育・自由保育」を活動形態としてこれを見る人も多いんだけど。本当はそこじゃないんだね。

とりあえず。まずは「設定保育」
設定保育(せっていほいく)は、保育者が「目標」や「ねらい」を持って、お散歩やお絵かき、粘土遊びや音遊びなど、時間や内容を決めて保育を行うこと。当然クラス全体で「一斉保育」する場合もあれば、計画の内容によってはグループ活動や自由な内容で行う場合もある。またクラスや異年齢による合同保育もある。
設定保育はあらかじめ担当しているクラスの乳幼児個々の発達や成長度合い、また年間計画に従って、季節や天候などに応じ、先生がくみ上げ計画的な保育を行うもの。
いわゆるこれまで行われてきた一般的な保育スタイルと言えるでしょう。

で、お次に「自由保育」
自由保育(せっていほいく)(じゆうほいく)は・・・これが一番説明がしんどい!
この自由保育っていう言葉が、日本で使われるようになったチョイ長説明から(面倒な人は飛ばして)
みんなフレーベルさんって知っているかな?18世紀末から19世紀初頭までヨーロッパに台頭したロマン主義をベースに「個人の根本的独自性を根本とする」ことを基本としたフレーベルさんが考えた「保育理論」があるのね。
時は明治の時代。このフレーベルさんの「保育理論」が日本に導入されたのね。同時にこのフレーベルさんが考えた「Spiel-gabe」(和訳「恩物」)っていう玩具も広まったんだね。ところがそれが広まるうちに、日本ではフレーベル理論とロマン主義とが結びつかなくって、さらにこの「恩物」っていうおもちゃ(玩具)を使った堅苦しくって、細かい指導保育に成り果てていっちゃったわけなんだね。ま、今で言う知的教育玩具みたいなものの指導書(マニュアル)だね。お遊戯の指導とかが中心だったみたいなんだけど。そう!そのやり方のみが一人歩きしてしちゃったわけさ。それもフレーベルさんが志したものとは全く正反対の方向に。そんで倉橋創三先生って、この方は日本の幼稚園黎明期に活躍された教育者なんだけど。このお方がこのことに異を唱えて「もっと子どもの持つ能力や発想を活かした活動ができないか」って、自由遊びを中心に、子どもの生活とルールに根ざした「自己充実」を目指して「自由保育論」という論文を発表したんだね。この理論は「子どもの『自発的な伸びる力』に様々な刺激を与えて、実りある成長に導くよう教育環境をていねいに構築する」ちゅ~ものです。そのための「誘導」を保育のもっとも大事なものと考えたのね。「誘導保育論の基本は、保育者である」と言うことになったの。刺激を与えることと教育環境の構築が保育者に求められることであるっちゅ~ことやわね。ま、あえて言うなら、そこまで行われてきた幼稚園の「先生が中心となって、活動のあり方・方向性を決めていた保育」に疑問を投げかけて、保育理念として「自由保育」を提唱されたのね。だからここで出てきた「自由保育」ちゅ~のは理念であって、ま、あえて言うならその手法が「誘導保育」ってかんじかな?